TOSHIOインタビュー
元JUNGLE、来月いよいよ開催のFREE STYLE SESSION JAPAN の仕掛け人、TOP NATION経営とさまざまな顔を持つTOSHIO氏のインタビュー
まずは自己紹介からお願いします
「WILD STYLE」や「BEAT STREET」などの映画を見てダンスを始めて、ダンス暦は17年になります。ブレイクやロックなど、オールジャンルで踊ってきました。
TOSHIOさんがブレイキンをやっていた当時と現在のブレイクシーンの違いをどう思いますか?
まずレベルがまったく違いますよね。オレがやってた頃からは考えられないことをみんなやってる。だからもうブレイキンを引退したオレがバトルやコンテストの審査をできるか、って言えばできないと思うんだよね。本当は審査員とかあまりやりたくないんだ(笑)
引退というと、やっぱりケガですか?
そうだね、ヘッドスピンで遠心力に耐えられなくなって内太もものスジが両足とも立て続けに切れたんですよ。治ってまたヘッドやったんだけど、やっぱり違和感があってね。それからかな。
TOP NATIONの商品の買い付けで海外に行くことが多いそうですが海外のブレイクシーンはどのように見えますか?
3日前に日本に帰ってきました(笑)ちょうど行ったときにアンダーグラウンドのクラブバトルがやってて、Style ElementsのリマインドとクランブスにK-melともう1人名前わかんないけど、2人がバトってて、かなりやばかったね。
海外のやつらを間近で見てて思うけど、「パワー」があるよね。これは筋肉とかパワームーブとかってことじゃなくて、迫力とかオーラとか、前面に押し出すような力強さがあるかな。
殴り合いの喧嘩になったりすることもあるそうですが?
ありますね。犬猿の仲というか、そんなクルー同士だと喧嘩寸前とかはよくあると思います。ちょっと違うけど昔オレたちがバトルやってるときは「喧嘩なら負けねえのになぁ」って言ってるやつがいましたよ(笑)
海外といえば最近韓国も注目されていますよね。
そうだね。前に「韓国でエアーするやつがいる」って話を聞いてウソだろ?とか話してたんだけど、実際行ってみたらエアーやってるやつがいて、話してみるとエアーやってる本人が「この技の名前何て言うんだ」って聞いてきたときには笑ったね(笑)
あとはなぜか韓国のダンサーは欧米よりも日本を手本にしてるよね。セッションとかのビデオは入ってきてるはずなんだけどね。
日本人も海外に出ていますが海外ではどのように見られていますか?
やはりルーティーンをやらせたら日本は世界一だって言ってますよ。これはおれも思います。日本のルーティーンは本当にすごい。外人のバトルとか見てても彼らのルーティーンと日本のルーティーンじゃ一目瞭然ですよね。でも、ルーティーンはいいんだけどやはり個人戦になると弱いと言ってますね。
最近オリジナルとかバイトとかよく出てきますがこれについては?
オリジナルについては個人的には基礎ができた上でやっていったほうがいいと思いますね。あとは無理して変わったことをやろうとかしないで自分がしたいことをやっていってほしいです。
バイトについてはやっちゃいけないとは思わないんだよね。外人もとりあえずヒジでパクパクやっとけ、みたいなとこもあると思うし。
オレも昔ヘッドスピンやってて、そのときにオーコのヘッドを見たんですよ。それでオレもあんなことやりたいって思って一生懸命練習したけどあそこまで柔軟性ないし、完全に同じことできなかった。
そこで自分ができる限界のところで自分だけのオリジナルムーブを考えた。それをアメリカに行って外人と一緒に練習してるときに見せたら彼らが驚いて聞いてきた。「何ていう技なんだ?」『名前なんてないよ』「じゃあおれが名前つけてやるよ」って言われたときは嬉しかったね。
おれの場合もそうだけど、真似するとこから始まってそこからオリジナルに辿り着くまでの過程としては別にいいと思うんだよね。そのままパクってバトルしたりショーやったりするのはちょっとやり過ぎだと思うけどね。
外国人ブレイカーっていろんな意味でキレてますけど(笑)面白エピソードは?
ムーブとかやばいよね、ホントにキレてると思う(笑)
そういえば前にアイバンが帰国できなくなって、うちに何日か泊めてあげてたことがあったんだ。一緒に生活してて楽しかったよ。
それで帰国する日、空港で帰り際に「面白いものみせてやる」とか言っていきなりエアーやって高速ウィンドからヘッドやって回ってたよ。そのあと何するかと思ったらあの高速バク転連続をやって帰って行ったよ(笑)
外人と一緒にいたり踊ったりすると考え方変わりますよね
そうなんですよ。だから今回のセッション・ジャパンは誰でも身近に外人とバトルができて、触れあってほしくて開催しようと思ったんですよ。毎年やっていく予定だしね。
とりあえず、バトルでは見ててつまんなかったりしたらフロアで舞台とは別にサークル作っちゃってバトル始めちゃってもいいしさ、もう本当にバトルを楽しんでもらいたいんですよ。
2001/10/11